時代祭（じだいまつり）は、京都市の平安神宮の祭りです。神宮創建を祝って始められたものであり、京都三大祭りの一つでもあります、葵祭や祇園祭に比べると歴史は浅いものです。1895年（明治28年）に平安神宮が創建されたのち、神宮の管理と保存のための市民組織として平安講社が作られ、その記念事業として「祭り」が始められました。祭りを盛大にするため、東京奠都以前の京都の風俗を遡る時代行列が提案され、「時代祭」と呼ばれるようになりました。初回は、創建されたばかりの平安神宮への参拝として1895年（明治28年）10月25日に行われ、その次の回からは、「祭神である桓武天皇と孝明天皇の二柱の御霊が、住まいであった御所から街の繁栄を見ながら行列のお供を従へて神宮へ行く」形となりました。開催日も桓武天皇が長岡京から都を移し新しい都に入ったとされる日、すなわち京都の誕生日とも言える10月22日となりました。祭り自体は10月15日の参役宣状祭（行列の役柄任命）から、23日の後日祭までの期間行われます。行列は8つの時代、20の列でそれぞれに時代を再現した衣装や道具を身につけた人々で行われ、最初は明治維新、ついで江戸、安土桃山、室町、吉野、鎌倉、藤原、延暦と時代を遡って続きます。参加人数は約2000人、長さは2kmに及び約3時間の行程となります。先頭の名誉奉行は京都府知事、京都市長らが務めます。また時代行列の後には祭り本来の主役である神幸列などが続きます。行列前方、明治維新・維新勤王隊列の鼓笛隊は官軍の山国隊で、1895年（明治28年）の第1回から大正時代までは生存していた旧山国隊の隊士とその子弟が行列に参加していましたが、1921年（大正10年）からは、第八社の人々によって新たに維新勤王隊が新設されました。つづく徳川城使上洛列は、大礼や年始などの際に親藩または譜代の諸侯が城使として上洛したものを再現したものであります。行列の先頭には、槍持、傘持、挟箱などの奴振りがみられ、いわゆる大名行列の体をとっています。また、明治以降、南朝を正統とする皇国史観や明治から終戦まで後醍醐天皇に叛き室町幕府を開いた室町幕府の初代将軍 ・足利尊氏を国賊としていた歴史的経緯などから、室町時代は除外されていましたが、2007年（平成19年）より桓武天皇1200年記念大祭を機に室町時代列が新たに行列に加わりました。