【プロローグ】 時は19世紀、舞台はニュルンベルクの歌劇場の近くの酒場。詩人ホフマンは、『ドン・ジョヴァンニ』に出演中のソプラノ歌手ステッラを待っています。ステッラは「オペラが終わるまで待ってて」という手紙を届けようとしましたが、途中でその手紙はステッラに横恋慕している上院議員リンドルフに奪われました。ステッラを待ちくたびれたホフマンは親友ニクラウスとお酒を飲みながら、周りにいた学生たちに過去の失恋話を語り始めました。
【第1幕】オランピア 一人目の恋人はローマの科学者の娘オランピア。娘と言っても、実は機械仕掛けの人形でした。ホフマンは、人形作り師コッペリウスに売りつけられた不思議なメガネで見ていたので人形だとはつゆ知らず、恋に落ちてしまいます。ところがコッペリウスは、科学者が人形オランピアの代金を払わないことに怒って、人形を壊してしまいました。
【第2幕】アントニア 二人目の恋人は病弱な歌手アントニア。アントニアの父親は、歌手だった彼女の母親と同じく死んでしまうと心配して、歌うことを禁止にしていました。そんなアントニアに恋するホフマン。そこへ邪悪な医師ミラクル博士がやってきてアントニアに歌を歌うように勧めます。歌い続けたアントニアは、力尽きてしまいました。
【第3幕】ジュリエッタ 三人目の恋人はヴェネツィアの高級娼婦ジュリエッタ。魔術師ダペルトゥットは、ジュリエッタにダイヤモンドを渡して、ホフマンを誘惑してその「影」を手に入れるように依頼します。ジュリエッタはホフマンに近づき、見事にホフマンの影を手に入れます。そして、ジュリエッタはホフマンを棄てて、去っていきました。
【エピローグ】 ホフマンはこれらの悲しい失恋話を語り終えると、酔い潰れてしまいます。そこへ恋人のソプラノ歌手ステッラがやってきますが、上院議員リンドルフがホフマンの酔い潰れた姿を見せ、彼女の手を取って首尾よく連れ去ります。 ホフマンの親友ニクラウスは、実は芸術の精ミューズの化身でした。酔い潰れたホフマンにミューズは「詩人としてよみがえりなさい。人は恋によって大きくなり、涙によってさらに大きくなるのです」と語りかけたのでした。
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