(2)過去掲載の閑人のオペラ


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”もう飛ぶまいぞ、この蝶々”

フィガロの結婚

”Le Mariage de Figaro”

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲

初演:1786年ウィーン・ブルグ劇場
(あらすじ) 貴族社会が終末を迎えようとしていた18世紀末のヨーロッパ。舞台はスペイン、セヴィリャのアルマヴィーヴァ伯爵の館。伯爵の従者フィガロと、同じく伯爵家の女中スザンナの結婚式当日の話です。フィガロはスザンナから驚きの事実を聞きます。それは、二人の主人である伯爵が、音楽教師バジリオを使って、スザンナを誘惑しているというのです。フィガロは怒って、伯爵をこらしめる作戦を考えます。作戦とは、伯爵に仕える少年ケルビーノにスザンナの服を着せて、伯爵がスザンナと夜こっそり会おうとしたときに、彼を差し向けて驚かせようというものでした。事情を知った伯爵夫人の協力のもと、スザンナが少年ケルビーノに女装をさせます。そこへ急に伯爵が現れて大混乱。結局、作戦は失敗します。その上、フィガロにお金を貸していた女中マルチェリーナが、弁護人バルトロといっしょにやって来て、「借金を返さないなら、フィガロは私と結婚する約束だっ たわ」と言い出します。フィガロとスザンナの結婚のゆくえはわからなくなりました。ところが大変な事実が発覚します。捨て子だったフィガロ、実は、マルチェリーナと弁護人バルトロの二人が若かりし頃、恋の火遊びをした結果、できてしまった子供だったのです。つまり、父母、息子の関係でした。この3人にスザンナを加えた4人はすっかり意気投合。無事、フィガロとスザンナは結婚式を挙げることができました。さて、一方の伯爵は……というと、まだこりずにスザンナを誘惑しようとしています。見かねた伯爵夫人は、今度は自分がスザンナの服を着て、密会の現場に行くことを決心します。その夜、屋敷の裏庭。伯爵は、スザンナと秘かに会えるのを楽しみにやってきます。そして、スザンナの服を着た伯爵夫人をスザンナと勘違いして、甘い言葉をささやくのです。これで証拠は押さえられました。伯爵夫人は何も知らない伯爵に正体を明かします。スザンナと思って近寄った伯爵は、実はそれが自分の妻だったと知って驚きます。深く反省した伯爵のことを、夫人は暖かく許してあげるのでした。

ウィーンの森バーデン市立劇場
2006年10月07日

滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール

大ホール

指揮:クリスティアン・ポーラック
演出監督:ルチア・メシュヴィッツ
 管弦楽:モーツアルティアーデ管弦楽団
合唱:バーデン市立劇場合唱団

【主なキャスト】
フィガロ:セバスティアン・フゥップマファン
 アルマヴィヴァ伯爵:パァゥル・アルミン・エェデェルマン
伯爵夫人:エリザベェト・フレェッヒェル 
スザンナ:シフィウィー・マァッケェンヅィー