知っとこピアノ豆知識集(002)

ピアノの音はどうして出るの?(動作原理)
ピアノの仕組はよく見ると、昔のからくり人形のメカの様に実に巧妙に出来ています。現在の電子制御メカ技術等全く無縁の17世紀だからこそ出来た匠の産物だと感心します。(今の技術者が考えると恐らく、電子制御メカを多用したくなりますね。)ピアノの鍵盤を指で押すと、その力がアクションという部分を通してハンマーに伝わり、ハンマーが弦を打って音が出て、その音を響板が広げます。これがピアノの音が出る仕組みです。因みに、ピアノ全多で使われている部品の数は、アクション部分に約6000個、その他の部分に約2000個です。全体で約8000個にものぼります。

鍵盤 鍵盤(キイ)が沈むと、その力がアクションを通してハンマーに伝わり、てこの原理でより強い力になって弦を打ちます。
キイが沈む深さは約10mm、キイの重さは48〜58gです。

鍵盤・アクション・ハンマー・弦
の仕組図
アクション 指の動きをハンマーの運動に変える部分。
鍵盤の動きを五倍の力にして打弦します。例えばキイが10mm沈めば、アクションはハンマーを50mm動かします。
1鍵につき70個近くの部品でできていて、極めて精密なメカニズムで作動し、指先の運動を忠実にハンマーに伝えるようにできています。
ハンマー 弦を叩いて弦振動を起こし、音を出します。音色や音量、音のバランスの要となる部分です。芯になる木に、羊毛を圧縮したフェルトが巻きつけられています。形状や弾力性を保つため、10トンもの力でフェルトが巻きつけられています。
美しい音色を作るために、フェルトの表面は柔らかく、内部は硬くなるように工夫されています。
ハンマーが弦と接触する時間は、中音部で千分の一秒から二秒。
ハンマーと弦の距離は、静止状態で46〜48mmです。
ハンマーで打つと、一定の周波数で振動し、音が出ます。音色、音量、音律など、音の質に関わる重要部分です。
ピアノ線(ミュージックワイヤー)と呼ばれ、純度の高い炭素鋼(たんそこう)で作られています。
最低音は1音につき1本、低音部は2本、それ以外は1音につき3本の弦が張ってあり、、総計約230本になります。
1本あたり約80キロ、全体で18トンの力で張られています。
高音部は細く短く、低音部にいくに従って太く長くなります。
高音部〜中音部は裸線、低音部は銅の巻線が使われています。
響板 弦の振動は、駒(ブリッジ)を通して響板に伝わり、響板がそれを共鳴させて響かせます。スピーカーのような役目を持ち、音の決め手となる部分です。エゾマツやスプルースを年月をかけて乾燥したもので作られています。