知っとこピアノ豆知識集(009)

日本で作られた最初のピアノは?(誰が、何時?)⇒(正解)山葉寅楠さんが1900年に

明治30年代の国産アップライト型ピアノ
(写真提供:ヤマハ(株))
日本で初めてピアノが製造されたのは、1900年(明治33年)、日本楽器製造株式会社(現 ヤマハ株式会社)の山葉寅楠が、若手の松山大三郎、山葉直吉、河合小市(後の河合楽器の創設者)らとともに製作したアップライト型のピアノです。これ以前にも西川寅吉が、横浜のイギリス人やドイツ人からオルガンやピアノの製造法を学び、西川風琴製造所を設立して、1886年(明治19年)からピアノの製造を始めていますし、山葉寅楠も日本楽器製造の前身である山葉風琴製造所時代の1890年(明治23年)に製造、国内の博覧会に出品し、西川風琴製造所のピアノと出来栄えを競っています。しかし、これらのピアノはいずれも、国産化したのは外部の木工部分だけで、内部の主要部品のほとんどは海外からの輸入というものでした。何をもって国産とするかという定義はむずかしいところですが、ミュージックワイヤはピアノの輸入当初から輸入品に頼りつづけ、国産化されたのは戦後のことになります。そもそも一般のピアノ線さえも1938年(昭和13年)まで輸入に頼っており、素材からのオール国産化が出来たのは、太平洋戦争が始まる1941年(昭和16年)のことで、時局がら、民需より軍需が優先されたのもやむを得ないことだと思われます。