知っとこピアノ豆知識集(015)

ピアノの魔術師とは誰のこと?⇒フランツ・リストです
リストは作曲家として以上にピアニストとしても有名で、彼を超えるピアニストはこの世に存在しないとも言われています。彼は「ピアノの魔術師」と呼ばれていましたたが、腕を高く振り上げて交差したり大げさなアクションで演奏する彼の姿は、まさに儀式をする魔術師のようであったのだろうと思われます。『彼が弾いた後には、ピアノの残骸が残ったほど』ときけば、彼の演奏がどれほど豪快だったかは、容易に想像がつきます。「鍵盤の王者」とも言われる所以(ゆえん)です。そして、13度を超える和音をたやすく押さえる巨大な手は、会場の外まで聴こえるほどの爆音フォルテ…名づけて"グランドフォルテシモ"を召喚しては、ウィーンに存在するピアノの弦を次々とぶっちぎっていったとのことです。彼の作る旋律のほとんどは16分音符以上の細かい音符で出来ており、彼の腕により奏でられる旋律は、まさに"魔法"のごとくピアノの中からあふれ出たのでしょう。それほどに超絶技巧の持主であり、もはや彼の指に不可能なことは何一つ無く、むしろ当時のピアノの性能の方が、彼に追いついていなかったと言われています。ピアノの進化において、彼は欠かせない存在だったことと思われます。唯一、ベーゼンドルファーだけが、彼のグランドフォルテシモに耐えられたと言われています。