マクロの世界




(10)日光の社寺(栃木)
登録区分:文化遺産 登録基準:(1)、(4)、(5) 登録年:1999年
1999年(平成11年)12月2日、モロッコのマラケシュで開かれていた第23回世界遺産員会が、二社一寺(日光東照宮、日光山輪王寺、日光二荒山神社)の建造物と境内地からなる「日光の社寺」を日本で10番目の世界遺産に指定しました。(登録は12月4日)世界遺産に登録された「日光の社寺」の登録遺産は、日光山内にある建造物群103棟(国宝9棟、重要文化財94棟)とそれら建造物群及び周辺の自然環境が一体となって形成する文化的景観。社寺の境内や、社寺と調和した周辺の山林を含む資産面積は50.8ヘクタールにもなります。「日光の開山は天平神護2年(766年)です。男体山を極めるために大谷川を渡った勝道上人が紫雲の立ち上る霊地を見て小さな庵を結んだことに始まります。ここを拠点にさらなる修行を重ねた上人は,天応2年(782年)ついに男体山を極めるに至りました。翌年,再び高峰の頂を踏んだ上人は,眼下に広がる湖のほとりへと降り立ち,弟跡は,三峰五禅頂,あるいは船禅頂として,上人の苦難を追体験する行事として確立されました。こうして日光は,国内有数の山岳信仰の霊山として,全国から多くの修行者を集めるに至りました。今では徳川家康公・家光公を初めとする徳川家ゆかりの寺社のイメージが強い日光ですが,もともとは日本に古くから伝わる山岳信仰の聖地,霊山として始まり,その信仰を基礎にしているのです。開山から1250年を超える長い歴史のなかで,広く信仰を集めた日光には,多くの霊宝が納められました。


日光の社寺(2003年07月撮影)