桜花礼賛の目次

004 桜の種類はどの位あるのか?!
桜の自生種は主に東アジアに分布していて、植物学上の分類によれば、中国には33種があります。一方、日本には、分類のしかたにもよりますが9種の桜があるに過ぎません。東アジアではこの他、ヒマラヤに3種類の野生種があります。東アジア以外では、ヨーロッパから西シベリアにかけて3種、北米に2種あります。一方、栽培品種がもっとも多いのは日本です。日本には、野生種と栽培品種とを含めて約340種類の桜があります。その数は、新しい種類が発見されたり、交配種が作り出されたりして年々増えています。(名前がきちんと付けられていないものを含めると、日本にはその倍ぐらいの種類の桜があるのではないかという、専門家の方の話もあります。)世界でもっとも桜を愛しているのは日本人だと言われることがよくありますが、確かにその通りだと納得する種類の多さです。さて、日本以外にも桜が見られる場所はたくさんあります。まずは自生種については中華民国(台湾)では、カンヒザクラが霧社、烏来などの各地で見られるそうです。戦時中に日本軍がミャンマー北部で見渡す限りの山を覆うピンク色の桜を見つけ、こんなところに桜があるとは、と驚いたという話があります。秋咲きのヒマラヤザクラと考えられます。また、ミャンマー北部には春咲きのヒマラヤヒザクラと思われる桜もあるそうです。タイ北部にも、タイ各地から花見に来るという桜があるそうです。こちらもヒマラヤザクラと考えられます。ネパール各地でもヒマラヤザクラを見かけることができますが、地元民は桜の枝を切って薪にしてしまうため大木はないそうです。あまり大切にされてはいないようです。
日本の桜(自生種):9品種
《エドヒガンザクラ》
《ヤマザクラ》
《オオヤマザクラ》
《オオシマザクラ》
《カスミザクラ》
《チョウジザクラ》
《マメザクラ》
《タカネザクラ》
《ミヤマザクラ》
日本の桜(栽培品種):約340品種(代表的3品種)
《ソメイヨシノ》
《ベニシダレ》
《カワヅザクラ》