(01)日本のお祭りの起源は? |
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日本人にとって祭りとは何か。それを理解するためのキーワードは春夏秋冬です。春の訪れとともに種をまき、夏には台風や害虫、疫病などの被害にあわないことを願い、秋の実りに感謝を捧げ、寒さの厳しい冬にはこもりながら魂を充実させていく……日本には、季節の移り変わりに寄り添うように人々の営みがあり、日本人の季節感が祭りに凝縮されていると言えます。 夏は疫病退散、虫送り・台風除け夏の祭りは都市と地方で異なります。夏は疫病が流行し、神の祟りと恐れられていました。そのため、祭りも疫病退散を目的としたものが多いです。代表的なものが京都の「祇園祭(ぎおんまつり)」(7月1日〜31日)、大阪の「天神祭(てんじんまつり)」(7月24日〜25日)です。京都と交易が深かった都市も、同じように疫病に苦しめられたことから、祇園祭をまねて、独自の祭りを作り上げて行きました。 また、害虫の被害が最も多い夏は、台風や洪水に襲われる季節でもあり、農作物の生育が左右されやすいものです。そこで、農村では病害虫を追い払うための行事で“虫送り”や“台風除(よ)け”の祭りが行われてきました。虫送りの代表的なものが、青森の「ねぶた祭り」(8月2日〜7日)。台風除けの代表が、富山県の「越中おわら風の盆」(9月1日〜3日)です。 夏と言えば“お盆”。亡くなった人の霊や先祖の霊をあの世から呼び寄せ、霊を祀(まつ)る行事として全国的に広がっています。楽しい盆踊りや“送り火”という仏教系儀式が行われます。その代表例が京都の「五山送り火」(8月16日)です。 農閑期である冬は、厳しい寒さに耐えながら魂を充実させる季節です。穢(けがれ)を落とす禊(みそぎ)としての裸祭りや、炎が主役となる火祭りが行われます。裸祭りで有名なのは、岡山県の会陽(えよ)で行われる「裸祭り」(2月の第3土曜日)です。長野県の「道祖神(どうそじん)祭り」(1月13日〜15日)は火祭りの代表例です。 1年を通じて行われる祭りには、「祈り」「感謝」「願い」といった日本人の「生きるための想い」がすべて集約されています。だからこそ、代々受け継がれてきた祭りを大切に守り、次世代へと伝えていくことが大事です。 |