マクロの世界

(13)知床(北海道)
登録区分:自然遺産 登録基準:(9)、(10) 登録年:2005年

知床半島は1964年に国立公園に指定されました。すぐれた自然景観、原始状態を保持している地区として保護が徹底されています。観光などの公園利用にも厳しい制限を設けている特別保護地区は半島の面積の約60%を占めているようです。国立公園に指定されている面積は、38,633ヘクタールで、海域は沖合い1kmまで国立公国に指定されていましたが、ユネスコ世界自然遺産に決定しました。知床(しれとこ)は、2005年南アフリカ共和国ダーバンで行われた第29回ユネスコ世界遺産委員会で登録されました。北海道の東端にあるオホーツク海に面した知床半島と、その沿岸海域が登録の対象となっています。半島中央部は、千島火山帯が貫き、海岸線は荒く海に削られた地域です。冬には世界で最も南端に接岸する流氷が訪れます。この流氷により大量のプランクトンサケなどの豊富な魚介類が生息します。サケは秋に知床の河川を遡上し、ヒグマオジロワシなどに捕食されます。これらの動物の排泄物および死骸は、植物の栄養素として陸地に還元されます。このような、海と陸との食物連鎖を見ることのできる貴重な自然環境が残る点が国際自然保護連合(IUCN)に評価され、2005年に世界自然遺産の登録物件となることが出来ました。日本では、自然遺産として3件目の登録です。また、海岸線から約3 km沖まで登録地域となり、日本で初めて海洋を含む自然遺産登録物件となりました。


知床(2006年07月撮影)