今月の閑人のオペラ



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”誰も寝てはならぬ”

トゥランドット

”Tourandot”
ジャコモ・プッチーニ作曲

初演:1926年ミラノ・スカラ座
(あらすじ) トゥーランドット(Turandot)」は、ブゾーニとプッチーニの二人の作曲家によってそれぞれ別個にオペラ化されています。どちらのオペラの台本も、18世紀のイタリアのコメディア・デ・ラルテの劇作家ゴッツィ(1720〜1806)の「トゥーランドット」(1762)が原作となっていることはよく知られています。そして特にプッチーニの遺作となったオペラが、この物語の知名度を高めていると言えます。古代中国皇帝の一人娘「トゥーランドット姫」は、結婚を申し込んでくる男たちに三つの謎かけをし、それが解けなければ処刑するという厳しい掟を設けました。あるとき、トゥーランドット姫の美しさに一目惚れしたダッタン国王の息子カラフ王子が三つの謎に挑み、これを見事解いてしまいます。しかし心を固く閉ざしていたトゥーランドット姫は、カラフ王子の求婚を受け入れませんでした。そこでカラフ王子は「それでは私もたった一つの謎を出そう。私の名は誰も知らないはず。明日の夜明けまでに私の名を知れば、私は潔く死のう」と、逆にトゥーランドット姫に謎かけをします。プッチーニのオペラ「トゥーランドット」は、1926年にミラノで初演され、彼の最もすぐれたオペラとみなされています。プッチーニはこのオペラを完成することなく1924年11月29日に死去し、最後の二つの場面は彼のスケッチから完成されました。このオペラの第3幕で歌われる「誰も寝てはならぬ(Nessun dorma)」は、3大テノールのひとりであるルチアーノ・パヴァロッティの十八番。サッカーワールドカップ記念のコンサートで歌って以来、イベントごとにこの曲を歌い、2006年トリノオリンピック開会式でも熱唱しました。また、「誰も寝てはならぬ」を含むトゥーランドットの名旋律をヴァイオリンに編曲したものを、荒川静香がトリノオリンピック・フィギュアスケート女子シングルのフリープログラムで使用して金メダルを獲得。それ以来この曲の人気が高くなり、着メロダウンロード件数も莫大な数となってらゆる者の心を魅了しいます。

キエフ・オペラ
(ウクライナ国立歌劇場オペラ)
2006年10月26日

大阪:フェスティバルホール
指揮:ヴォロディミル・コジュハル
管弦楽:ウクライナ国立歌劇場管弦楽団
合唱:ウクライナ国立歌劇場オペラ合唱団
バレエ:ウクライナ国立歌劇場バレエ団

トゥーランドット:リジヤ・ザビリャスタ
カラフ:オレクサンドル・フレツ
皇帝アルトウム:オレクサンドル・ジャチェンコ
ティムール:セルヒィ・マヘラ
リュー:リリア・フレヴツォヴァ

キエフ・オペラ
(ウクライナ国立歌劇場オペラ)
2008年10月16日

大阪:フェスティバルホール
ウクライナ国立歌劇場オペラ合唱団
ウクライナ国立歌劇場バレエ団
ウクライナ国立歌劇場管弦楽団
指揮:ヴォロディミル・コジュハル

トゥーランドット:オレナ・スクヴォルツォヴァ(ソプラノ)
カラフ:ヴァーレリィ・ベンデロウ(テノール)
皇帝アルトウム:ステパン・フィツィチ(テノール)
ティムール:ボフダン・タラス(バス)
リュー:リリア・リリア・フレヴツォヴァ(ソプラノ)
ピン:ヘンナージィ・ヴァシェンコ(バリトン)
パン:ドミトロ・ポポウ(テノール)
ポン:ミコラ・シュリャーク(テノール)
役人:ミハイロ・キリシェウ(バリトン)