今月の閑人のオペラ



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”女心の歌”

リゴレット

”Rigoletto”
ジュゼッペ・ヴェルディ作曲

初演:1851年ヴェネツィア・フェニーチェ座
(あらすじ)

 十六世紀の初め、フランス国王フランソワ一世は若さと美ぼうと権勢を利して漁色の日々を送っていた。宮廷を抜け出ては下町の酒場に現われ、身分をいつわってジプシイ女を手に入れ酒場の常連のならず者にしっとされ、庭に投げ出されることなどは珍らしくない。
ある日宮廷にサン・ヴェリエ伯の娘ディアヌが、死刑を宣告されている父の命ごいにやって来た。王はディアヌを求め、その代償として父を許してやった。怒った伯は王者に有るまじきこの行為を暴露したところ、却って宮廷道化師リゴレットに、廷臣の面前でののしられた。リゴレットは極度の背曲りであったが、王にこび常に王の女あさりのお供をしていた。
 ある時学生に変装した王は、街で美しい美女に出会い、その跡をつけて行って愛を打明けた。その娘はリゴレットが隠している愛娘ジルダであることが、一人の廷臣に発見された。謝肉祭が来て、リゴレットはマスクをさせられ、ある娘を誘かいする手伝いをさせられた。娘が廷臣達に連れ去られた後マスクを取ってみると、そこはジルダの家であった。リゴレットは狂気の如く跡を追う。謝肉祭の騒ぎの中を、気を失ったジルダは宮廷内の部屋に運ばれ、駆けつけたリゴレットは部屋の外で翌朝まで待たなければならなかった。
 復しゅうを誓ったリゴレットは暗殺を業とするスパラフチーレを買収し、王の命を奪う計略を立てた。しかしジルダは王を愛する女となっていた。リゴレットは新しい女に会わせる約束で王をある酒場へ案内した。これを知ったジルダはスパラフチーレに王の助命を嘆願する。酔いつぶれた王を入れることになっていた袋の中に、ジルダが代りに入り、リゴレットが来るのを待った。リゴレットはこの袋をかついで、舟に乗り河に投げ捨てようとした。その時岸から王が陽気にうたう声がきこえて来る。おどろいて袋をあければ、ジルダの死顔が現われた。哀れな道化師リゴレットは、半狂乱でジルダの屍に泣き伏したのである。

ウィーンの森
バーデン市立劇場オペラ
2008年09月28日

滋賀県立芸術劇場
びわ湖ホール大ホール

指揮:クリスティアン・ポーラック
管弦楽:モーツアルティアーデ管弦楽団
合唱:バーデン市立歌劇場合唱団
演出監督:ルチア・メシュヴィッツ
リゴレット:ゲェオルグ・ティッヒィー
ジルダ:ユゥリィア・ゴォッチィー
マントヴァ公爵:ヴァレリィ・セルキン