今月の閑人のオペラ



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”乾杯の歌”

椿姫

”LA TRAVIATA”
ジュゼッペ・ヴェルディ作曲

初演:1853年
ヴェネツィア、フェニーチェ劇場
(あらすじ)

19世紀のパリ。貧しい生まれから這い上がったヴィオレッタ(ソプラノ)は、夜の世界で名を馳せる高級娼婦。だが無茶な生活がたたり、肺結核を病んでいた。そんな彼女に、地方出身の純粋な青年アルフレード(テノール)は一途な思いを寄せる。(ここで『乾杯の歌』)。 アルフレードの偽らない心に打たれたヴィオレッタは贅沢を捨て、彼と同棲する。だが息子が娼婦に引っ掛けられたと思い込んだアルフレードの父ジェルモン(バリトン)は、二人を放ってはおかなかった。アルフレードの留守中にジェルモンに別れを強要されたヴィオレッタ(二重唱『神様は私に、天使のような娘を』)は、本当の理由を秘め、アルフレードに別れを告げる。父親の説得(ジェルモンのアリア『プロヴァンスの海と陸』)も、逆上したアルフレードには通じない。ヴィオレッタが前のパトロンの元に戻ったと誤解したアルフレードは、パーティの席で彼女を侮辱する。数ヵ月後。ヴィオレッタはもうベッドから起き上がれなくなっていた。 愛の日々を回想し、絶望するヴィオレッタ(アリア『過ぎ去りし日』)。そこへ、真実を知ったアルフレードが駆け込んできた。ジェルモンも現れ、非礼を詫びる。 しかし、全ては遅かった。 喜びも束の間、ヴィオレッタはアルフレードの腕の中で息絶える。


英国ロイヤル・オペラ
2010年09月22日

東京・NHKホール

指揮:アントニオ・パッパーノ
演出:リチャード・エア
管弦楽:ロイヤル・オペラハウス管弦楽団
合唱:ロイヤル・オペラ合唱団

ヴィオレッタ:アンジェラ・ゲオルギュー
アルフレード・ジェルモン:ジェームズ・ヴァレンティ
ジョルジュ・ジェルモン:サイモン・キーンリサイド
ドゥフォール男爵:エイドリアン・クラーク
医師グランヴィル:リチャード・ウィーゴールド