今月の閑人のオペラ



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”狩人の合唱”

魔弾の射手

”Der Freischutz”
カール・マリア・フォン・ウェーバー作曲

初演:1821年6月18日

ベルリン王立劇場
(あらすじ)

(第1幕)時は17世紀中頃、舞台は現在プラハ等の位置する森に囲まれたボヘミア。森林官の娘アガーテと愛し合っていた狩人マックスですが、森林官の娘である彼女と結婚するためには、領主主催の射撃大会で優勝し、その射撃の力が認められなければなりませんでした。射撃大会は明日に迫っていましたが、マックスは調子を落としていて、いい成績を残していません。そこにつけ込んだマックスの同僚カスパールは、「魔弾」を使うようにそそのかします。悪魔に魂を売って手に入れる魔弾は、撃てば百発百中。しかし、最後の一発は悪魔が決めた的に当たるという呪われた弾で、使用禁止とされていました。マックスは魔弾を使うような恐ろしいことはできないと拒みますが、それでも明日の射撃大会のことが気になって仕方ありません。
(第2幕)恋人のアガーテは不吉な予感に襲われていました。心配する彼女を、いとこのエンヒェンが励ましています。そのアガーテが止めるのも聞かず、真夜中にマックスはカスパールと待ち合わせをした「狼谷」に向かいました。狼谷でカスパールは悪魔を呼びます。そして魔弾を7発手に入れ、マックスとカスパールはそれを山分けしました。
(第3幕)射撃大会の当日。領主の前で見事な射撃を見せるマックス。一方のカスパールも自分の魔弾を使い切り、残るはマックスの持つ1発だけとなっていました。カスパールは、悪魔に「最後の1発はアガーテに当ててくれ」とささやきます。領主に「あの白い鳩を撃ってみよ」と指示されたマックスは、最後の魔弾でねらい撃ちます。それと同時に木陰にいたアガーテが倒れました。周りの人々が駆け寄ると、アガーテは目を覚まし無傷です。その代わりカスパールが倒れ絶命していました。事の次第を打ち明けたマックス。使用禁止の魔弾を使ったと知って領主は怒り、国から追放することを命じます。このとき、そこに現れた森の隠者が、1年の試練を与えることとし、正しい行いをすれば二人の結婚を許してあげなさいと取りなしたのでした。

ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場オペラ
2010年11月25日

神戸文化ホール

指揮:ダデウス・ストゥルガラ
管弦楽:ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場管弦楽団
合唱:ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場合唱団

マックス:レシェック・シフィジンスキ
アガ―テ:マルタ・ヴィヴォマンスカ
カスパール:アンジェイ・クリムチャック
エンヒエン:マグニエシュカ・コズウオフスカ
オットカール侯爵:ピュートル・ピーロン