今月の閑人のオペラ



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”喜歌劇こうもり序曲”

こうもり

Die Fledermaus
ヨハン・シュトラウス2世作曲

初演:1874年4月5日

ウィーン:アン・デア・ウィーン劇場
(あらすじ)

(第1幕)時は1874年の大晦日、舞台はオーストリアの温泉地イシュル。以前、ある仮装舞踏会の帰り、アイゼンシュタインは酔っぱらった友人ファルケ博士を「こうもり姿」のまま道ばたに置き去りにしました。それ以来、ファルケはみんなから「こうもり博士」と呼ばれていて、いつかアイゼンシュタインに仕返しをしたいと考えていました。大晦日のこの日、アイゼンシュタインは公務員を侮辱した罪で、短期間ですが刑務所に入らなければならなくなりました。そこへファルケ博士が登場。楽しいパーティがあるから刑務所に入る前にこっそり行こうと誘います。喜んだアイゼンシュタインがパーティに出かけた後、家に残された妻ロザリンデのところに、元恋人のアルフレートがやって来ます。ロザリンデが迷惑がるのをよそに、アルフレートがまるで本当の夫のように振る舞っていると、ちょうどそこに刑務所長フランクがアイゼンシュタインを迎えに来ました。アルフレートは今更、夫でないとは言えずに刑務所に連行されます。
(第2幕)さてその晩、ロシアの大貴族オルロフスキー公爵のパーティにアイゼンシュタインが来てみると、なぜか自分の家の女中アデーレに似た女性を見かけます。おかしいなと思いつつもそのことは置いておいて、仮面を付けた美しいハンガリーの貴婦人を見つけ、夢中になって口説こうとします。実はこの貴婦人の正体は彼の妻ロザリンデ。すべてはファルケ博士の仕組んだワナでした。ロザリンデは口説かれるふりをしながら、アイゼンシュタインの懐中時計を奪います。これが動かぬ証拠となるのです。
(第3幕)元日の早朝。酔いも残るアイゼンシュタインが刑務所に出頭してみると、すでに見知らぬ男(つまりアルフレート)が自分の代わりに牢屋に入っているではありませんか。アイゼンシュタインは弁護士に変装して様子を伺っていると、そこにロザリンデがやって来て、アルフレートを牢から出してほしいとアイゼンシュタイン扮する弁護士に相談を始めます。怒ったアイゼンシュタインが正体を明かし、妻を責め立てると、ロザリンデは昨夜奪った彼の懐中時計を見せます。頭を抱えるアイゼンシュタイン。そこへファルケ博士がパーティの参加者とともに現れ、すべては自分の仕組んだ芝居だったのだよ、と種明かしをしたのでした。

佐渡裕プロデュースオペラ2011
2011年07月23日

兵庫県立芸術文化センター
KOBELCO大ホール

指揮:佐渡裕
管弦楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団
合唱:ひょうごプロデュースオペラ合唱団

アイゼンシュタイン:黒田博
ロザリンデ:塩田美奈子
アデーレ:森麻季
オルロフスキー公爵:ヨッヘン・コヴァルスキー
イーダ:剣幸
フロッシュ:桂ざこば