料理知っとこ豆知識集

(C)世界三大スープとは?

世界三大スープ

スープが正式な料理のひとつとしてコース料理の一角をなすようになったのは、17世紀フランスのルイ王朝の頃です。それ以前は、ごった煮の域を出なかったようです。そのスープの中から「世界三大スープ」と呼ばれる4つのスープをご紹介します。なぜ4つあるのかって?世界中のグルメの中では、まだ意思統一がなされていないようなのです。それほど、スープはおいしく、誰もがこだわりを持つ料理である証拠なのかも知れません。フカヒレスープ、トムヤンクン、ブイヤベース、ボルシチの4つのスープの中から、3つを選んで、世界三大スープと称します。

@フカヒレスープ

フカヒレは中華料理で三大珍味の一つの高級食材で、サメの鰭(ヒレ)を乾燥させた食品です。フカヒレは83.9%がタンパク質で、コラーゲン、ビタミンB群が豊富に含まれています。また、ミネラル類ではカルシウム、マグネシウム、亜鉛も含まれています。海に面しさまざまな食材が取り入れられる広東料理で、フカヒレは扱われるようになりました。日本では、日本の気仙沼産が有名で、江戸時代はナマコ、アワビとあわせて中国に輸出をしていました。今でも加工技術が優れているため高級品として扱われています。とろみの付いたスープとゼラチン質のフカヒレが、のどごしにつるりとしてたまらない一品です。


Aトム・ヤンクン

トム(煮る)、ヤム(混ぜる)、クン(海老)の3つから成る言葉通り、エビの旨みをベースに、辛味、酸味、ハーブスパイスが見事に調和したスープで、一度食べたら病みつきになります。近年、タイ料理店も増え、ファンも多いのでは?ラーメンや空揚げ、お菓子など、さまざまな風味も登場するトムヤムクンです。レモンの香りが高いレモングラス、柑橘系でスパイシーなこぶみかん、しょうが、ナンプラーなど、奥深いスパイスの味わいを楽しめます。。


Bブイヤベース

南フランスのプロヴァンス地方、地中海沿岸地域の代表的な海鮮料理です。サフラン、フェンネル、ローズマリー、ディル、パセリなど、ハーブ類で風味をつけ、魚介類を煮こみ、豊かな味わいとなります。ブイヤベースは、港町であるマルセイユの漁師が売り物にならないような小さな魚を鍋で煮込んで食べる漁師料理にその起源があります。発祥の地マルセイユでは伝統の味を守るために「ブイヤベース憲章」をつくり「ブイヤベースの具材にする魚は地中海の岩礁に生息するものに限定し、海老類・貝類・タコ・イカは入れないものとする」とされています。高級店で出されるようなオマール海老やムール貝を入れたブイヤベースは邪道としているのです。また「具材として入れる魚は最低でも四種類以上とする」こととなっています。魚の種類を増やすことで、より複雑な旨味を重ねるようにしているようです。このうま味たっぷりなスープにクルトンのように揚げたバケットを添えていただきます。


Cボルシチ

発祥はウクライナですが、今ではロシア全土で食されており日本でいうお味噌汁的な存在のスープですので、地域や家庭によって特徴があります。シベリアなど寒さが厳しい地域では、ビートや野菜は大きめに切ります。一方でモスクワやサンクトペテルブルグなどの大都市では野菜は小さめの短冊切り、ビートは千切り、スープが濁らないようにジャガイモは最後に入れるなど見た目のキレイさを重視することが多いようです。ボルシチのビートの元気な赤色が、食卓を明るくしてくれます。そして忘れならないのが、サワークリームとディルです。これらを添えていただきます。