一月(睦月)

醍醐山・万灯会
08月05日 醍醐寺
【醍醐寺へのアクセス】

JR京都駅より市バス206系統で「東山安井」バス停下車
 徒歩約5分

各家のご先祖と精霊(しょうりょう)を供養し、命の尊さに心を寄せるため、毎年8月5日に醍醐寺全山で営まれるのが「醍醐山万灯会」です。上醍醐では供養の灯がともされる中で「夜まいり」が行なわれ、下醍醐では1000を超える置き灯篭や提灯が参道を照らす中で「精霊供養法要」や「お施餓鬼(せがき)供養が執り行なわれます。当日は国宝の金堂や五重塔などが特別にライトアップされ、幻想的な雰囲気を静かに演出します。

夏越本殿祭
08月06日 下鴨神社
【下鴨神社へのアクセス】

JR京都駅より
市バス(4・205系統)下鴨神社前(糺の森)下車
下鴨神社の夏越祓神事は「玉依媛命(祭神)が小川に流れてきた矢を持ち帰ったところ、懐妊し、上賀茂神社祭神となった賀茂別雷神を生んだ」という故事を元に創造されたものです。この神事はは夏の終わりの日に(立秋の前日)に行われ、午後6時30分から本殿で本殿祭が行われ、神主さんが7時ころに御手洗池の畔に移動されてこられます。京都の多くの神社では6月30日に「夏越祓(なごしのはらえ)神事」が行われます。これは半年のけがれを祓い、以降の健康を祈願する行事ですが、下鴨神社の夏越神事もこれと同じ意味合いの行事です。夏越神事の準備が整った御手洗池のほとりにある井上社(御手洗社)の祭神は祓戸大神(はらえどのおおかみ)の内の1神で、もろもろの禍事・罪・穢れを川から海へ流す役割を担っている瀬織津比売命(せおりつひめのみこと)です。池の真ん中に立っているのは斎串(いくし)で五十串とも言います。夏越祓神事に池の中に刺して立てられるお祓いの御幣です。古来、この串を手に入れた者には開運厄除延命長寿の霊験があると信じられ、裸男(2002年まではフンドシ姿)によって競って奪いあわれます。この串は 一見矢のように見えることから「矢取り神事」ともいわれています。

京の七夕
08月06〜15日 (堀川会場)
【堀川会場へのアクセス】

JR「京都駅」から地下鉄烏丸線「烏丸御池駅」乗換〜地下鉄東西線「二条城前駅」下車すぐ(堀川会場)

中国には古くから天の川を隔てた彦星(牽牛星)と織姫(織女星)が一年に一度7月7日の夕べに出会うという伝説があり、また織女星にあやかり裁縫や歌、書などの上達を星に願う「乞巧奠(きっこうでん)」が行われてきました。これが奈良時代に日本に伝わり、それまで国内で行われていた機を織り祖霊に捧げる「棚機(たなばた)」というお盆の行事と融合したものが、七夕の起源と言われています。この「乞巧奠」については京都でも古くから宮中行事として行われ、現在でも冷泉家(れいぜいけ:昔の官職に代々任命された公家)では旧暦の七夕の時期に行われています。このように長年に渡って受け継がれて来た「一年に一度、願いごとをする」という七夕の節句に改めて目を向け、平和や地球環境をはじめ、様々な願いを全国から募り、寺院・神社に託すという、京都ならではの現代版・七夕を実現すべく今年(平成22年夏)より開催されています。会場は堀川会場と鴨川会場の2ヶ所で開催されます。




千日詣り
08月06日〜16日 清水寺
【清水寺へのアクセス】

市バス
 京都駅より(206番・100番)
 で五条坂下車、 徒歩約10分

清水寺:きよみずでら」は、広隆寺鞍馬寺とともに平安京遷都以前からの歴史がある寺院です。山号を音羽山と称し、本尊は千手観音、開基は延鎮です法相宗(南都六宗の1つ)の寺院です。宝亀9年(778)大和国子島寺の僧・延鎮上人が、夢告で霊泉を訪ね、辿りついたのは音羽山でした。この山で数百年も修行を続けているという行叡居士(ぎょうえいこじ)という修行者が「自分はこれから東国へ旅立つので、後を頼む」と言い、去ってしまいました。延鎮上人は行叡居士が残していった霊木に観音像を刻み、草庵に安置したのが清水寺のはじまりと伝わります。清水寺は、源氏物語・枕草子・更級日記・梁塵秘抄などの古典文学に登場し、平安時代にはすでに多くの参詣者を集めていました。京都では珍しい法相宗の寺院です。現在の本堂は、寛永10年(1633)徳川家光の寄進により再建されたもので「清水の舞台」で知られています。「千日詣り」は観音の最大功徳日で、一日参れば千日参ったのと同じ御利益があるといわれています。先祖の供養に献灯してお参りします。14〜16日は先祖供養法要が行われ、夜の特別拝観も行なわれます。

六斎念仏盂蘭盆奉納(上鳥羽橋上鉦講中)
08月07日 清水寺
【清水寺へのアクセス】

市バス
 京都駅より(206番・100番)
 で五条坂下車、 徒歩約10分

口に念仏や和讃などを唱え、鉦、太鼓、瓢などを打ちならしながら踊躍歓喜する「念仏踊」は、全国各地にいろいろの型が伝承されています。その中でも「京都の六斎念仏」は、これらの念仏系の芸能のみならず、能楽系、歌舞伎系の芸能をも多く取り入れながら発達してきたものです。これらは京都を中心として生まれた地域的特色が顕著な念仏踊ですので、これを重要無形民俗文化財に指定し、その保存をはかっています。六斎念仏は京都内十五か所で伝承されている芸能です。六斎とは仏教でいう月の八、十四、十五、二十三、二十九、三十の六日の斎日の意で、これらの日には悪鬼が出て来て人命を奪う不吉の日とされ、この日には身を慎んで、仏の功徳を修し、鬼神に回向し、悪行から遠離し、善心を発起せしめるべき日とされています。この日には、念仏、和讃などを唱え、鉦、太鼓などで囃します。清水寺では8月の千日詣りの日に上鳥羽橋上鉦講中による六斎念仏踊が奉納されます。

六斎念仏盂蘭盆奉納(京都中堂寺六斎会)
08月07日 清水寺
【清水寺へのアクセス】

市バス
 京都駅より(206番・100番)
 で五条坂下車、 徒歩約10分
六斎念仏踊は鉦や太鼓ではやし、念仏を唱えながら踊る民俗芸能で、平安中期、空也上人が一般庶民に信仰をひろめるため始めたと伝えられています。もとは六斎日(月に六日ある忌み日、精進潔斎日)に行われたのでその名があります。しかし室町中期頃から能、狂言がとり入れられ、大衆化して六斎日にかかわりなく、お盆前後に行われています。重要無形民俗文化財である中堂寺六斎念仏が東山区の清水寺舞台において毎年奉納されます。狂言橋弁慶では五条大橋で牛若丸と弁慶が闘う場面がパントマイムで迫力いっぱいに演じられます。

お精霊迎え・送り
8月07日〜16日 千本ゑんま堂
【千本ゑんま堂へのアクセス】

JR京都駅中央口から

市バス206系統「乾隆校前」下車

上京区の千本ゑんま堂引接寺において「お精霊迎え」が8月7日から行われます。
平安の頃、あの世とこの世を自由に行き来できたといわれる小野篁(たかむら)は、閻魔法王に命じられ、えんま堂を建立し、お精霊を迎えられたと伝えられています。朝から多くの人々が訪れており、ご本尊である閻魔様にお参りし、本堂の裏にある六地蔵を祀るお池で先祖の名前を書いた水塔婆を流し、鐘堂で「迎え鐘」をついてお精霊さんをお迎えしていました。同寺の鐘は、620年前につくられた京都市指定文化財です。

陶器市
8月07日〜10日 東山五条坂
【五条坂へのアクセス】

京阪電車:五条駅下車

市バス:京都駅より206系統「五条坂」下車

京・五条坂は古来清水焼伝統の地です。そうそうたる名陶工の活躍した五条坂は、清水焼発祥の地として、現在もまた陶芸作家・窯元・卸店・小売店が軒を並べています。この五条坂の陶器まつりは遠く大正9年、「六道珍皇寺」にお精霊さんを迎えに行く人々、また大谷本廟(西大谷)へお盆の墓参りに行く人々が五条坂を賑わせていた時に、五条坂に店を構える陶器屋が登り窯で出た大下(おおげ)、要するに一級品として出せないものを陶器市として売り出したのが始まりの様です。

京都府子ども議会
08月08日 京都府庁(府議会場)
【京都府庁へのアクセス】

JR京都駅から市営地下鉄烏丸線

「丸太町」下車、徒歩10分

「京都府子ども議会」は京都府の未来を担う子どもたちが、地域や社会の将来について主体的に考え、積極的に意見を表明したり、社会参加の意識を高めていく機会づくりを通じて、社会の一員としての自覚や、京都府の議会・行政への関心や理解を深めていけるようにと言う趣旨のもと、2年に1度開催されています。京都府下の小学校高学年の中から選ばれた子ども議員が、知事及び理事者に通常の本会議のように質問を行い、議会や行政に対する関心を深めてもらいます。保護者の皆さんも大勢傍聴に来られ、いつもの本会議以上に熱気溢れるものでした。



萬燈会
8月08日〜10日 六波羅蜜寺
【六波羅蜜寺へのアクセス】

阪急電車:「河原町駅」から徒歩約15分
京阪電車:「五条駅」から徒歩約7分

当日は本堂内では灯芯による大文字を点じ、七難即滅・七福即正の祈願が空也上人以来の伝統行事として修ぜられ、火の要心の護符が授けられる。前庭では灯明で仏塔、沙羅双樹の花が表される。六波羅蜜寺は五条坂にも近く、陶器市からの人の流れで、普段よりも随分賑わいを見せている。なお、萬燈会によって迎えられた精霊は、16日の大文字の送り火によって送られる。

六道まいり
8月07日〜10日 六道珍皇寺
【六道珍皇寺へのアクセス】

JR京都駅→市バス206系統で10分、清水道下車、徒歩4分

京阪電車:五条駅→徒歩15分

六道珍皇寺は平安時代の葬送地鳥辺野へ亡骸を運ぶ際に通る「松原通り」にあり、
「野辺送り」 の法要が行われる寺でした。この事より、珍皇寺周辺はあの世と現世の分かれ道「六道の辻」と言われました。本堂右手にある井戸は、平安の時代小野篁(たかむら)が冥府閻魔庁の役人として現世と冥界の闇を行き来するのに使用したと伝わり、冥土通いの井戸と呼ばれています。京都の人はお盆にご先祖のお迎えをこのお寺で行います。

六道まいり
8月08日〜16日 千本釈迦堂
【千本釈迦堂へのアクセス】

JR京都駅から市バス50系統
「上七軒」下車徒歩3分

千本釈迦堂の呼び名で親しまれている大報恩寺で8月8日日から「六道まいり」が始まります。北の葬送地・蓮台野は、船岡山の西から紙屋川にかけての一帯で、大報恩寺も蓮台野に近く、「六道まいり」が行われます。六道まいりの期間中は、ご本尊の国宝「釈迦如来像」が御開帳されています。この釈迦如来像の手に結ばれている白布がお精霊さんを迎える鐘につながっていて、訪れた参拝者らは、迎え鐘をついて先祖の精霊を供養していました。16日には、精霊送りが行われます。

六斎念仏踊り一般公開
08月09日 壬生寺
【壬生寺へのアクセス】

阪急河原町線 大宮駅下車 徒歩5分

六斎念仏踊りは数種の太鼓や鉦と、篠笛を駆使して、地歌や長唄等に取材した曲を演奏するほか、獅子舞の碁盤乗りといった曲芸的な技も披露し、その構成はバラエティーショーの様相を呈します。上演主体は、「壬生六斎念仏講中」という地域の有志者団体です。(壬生狂言を行う「壬生大念仏講中」とは別組織)。講衆は揃いの浴衣姿が基本ですが、出し物によって扮装を変えます。年中行事は、主として8月の盂蘭盆の時期に集中し、8月9日の精霊迎え火、同16日の精霊送り火同23日の地蔵盆に、壬生寺で万灯供養会の灯明を背景に奉納される慣わしです(但し現在は9日のみ継続)。元々は本堂上一隅で行われていましたが、昭和37年の本堂焼失後は境内特設舞台にて演じられるようになりました。

盂蘭盆万燈供養
8月09日〜16日 壬生寺
【壬生寺へのアクセス】

阪急河原町線 大宮駅下車 徒歩5分

9日〜16日(月)まで日没とともに、本堂の前一面に掲げた1100個の灯籠と千体仏塔に供える1000個の蝋燭球に明かりを点じて献じ、先祖の精霊を供養する万灯供養会が、新選組や壬生大念佛狂言で有名な壬生寺で行われます。京福電車の四条大宮から歩いてすぐにある壬生寺の夜は、閑静な住宅街にあるため静かで、山門をくぐると暗闇の中に本堂が浮き出るように光り輝き、参拝者を幽玄の世界にいざないます。

万灯会
08月14日〜15日 三千院
【三千院へのアクセス】

 JR京都駅よりバス約55分

京都市営地下鉄
国際会館駅よりバス約20分

今からおよそ800年前、三千院往生極楽院は建立されました。一人の女性が、極楽浄土への祈りを捧げるために建てたものと、言い伝えられております。それ以来約800年あまりの歳月が流れ、今もその祈りが往生極楽院のみならず、大原の里に満ちています。受け継いだ「いにしえ」の祈り、そしてこれから刻む数百年、いや数千年の祈りを目指し、三千院 万灯会は行われます。光に浮かぶ往生極楽院、献灯者の祈りに満ちた観音堂、それはまさしく現代の補陀洛浄土です。「祈りの里 大原」に、未来への一灯、心の道標として蝋燭を灯し千年の祈りを捧げます。



萬燈祭
8月14日〜16日 車折(くるまざき)神社
【車折神社へのアクセス】

JR京都駅より京都バス「苔寺・清滝・大覚寺」行き 車折神社前下車徒歩すぐ
   京福電鉄「車折」下車横JR山陰線嵯峨駅下車徒歩15分

車折神社は平安時代末期、王朝の要職につき儒学者で知られた清原頼業(よりなり)をまつつています。当時、境内には氏が好んだ桜が多く植えられ、「桜の宮」と呼ばれていました。現在の名は、鎌倉時代の後嵯峨天皇の御幸の際、社の前で車の轅(ながえ・車をひく棒)が折れて「車折大明神」の神号と正一位が贈られたためと言われいます。売繁盛、売り掛け回収の願いごとが多いこの神社、境内には芸能神社もあり、さまざまな願いごとが託された三面灯籠と言われる紙灯籠が吊り下げられます。大願成就、家内安全などを祈願するものです。

宵まいり(夜の特別拝観)
08月14日〜16日 清水寺
【清水寺へのアクセス】

市バス
 京都駅より(206番・100番)
 で五条坂下車、 徒歩約10分

京で千日詣りの行われているのは、愛宕神社千日通夜祭(千日詣)と清水寺千日詣り狸谷不動院千日詣り火渡り祭の三箇所です。狸谷山の千日詣りは7月28日、愛宕さんの千日詣りは7月31日から8月1日未明に、そして、清水寺の千日詣りは8月9日から16日です。清水寺の千日詣りに合わせて、お盆の14日から16日の間は宵まいり(夜の特別拝観)が催されます。この日は観音菩薩の最大の功徳日にあたり、一日のお参りで4万6000日、換算すると130年間毎日お参りした功徳に肖れるとのことです。本堂内々陣に開帳されている本尊十一面観音(お前立ち)のご宝前に自ら献灯もでき、結縁の綱を間近で握れ、特別の札が授与されます。



東大谷万灯会
08月14日〜16日 大谷祖廟
【大谷祖廟へのアクセス】

JR「京都駅」から206系統
市バス「祇園」下車
徒歩約10分

大谷祖廟は浄土真宗の宗祖親鸞聖人の墓所であり、真宗大谷派(東本願寺)の飛地境内地です。ここには親鸞聖人のご遺骨をはじめ、全国各地のご門徒のご遺骨が納められています。万灯会の期間中は、大谷祖廟、大谷墓地へ夜間の墓参ができるようにと、境内には大小の提灯、俳句提灯、幼稚園・保育園園児作画による子ども提灯など約1万個の提灯が参拝者のために献灯されます。また仏法聴聞の場として、万灯会お盆法要を厳修し、三夜連続で法話も行われます。



送り鐘
08月16日 矢田寺
【矢田寺へのアクセス】

京都市地下鉄・東西線「市役所

前」駅下車徒歩約5分

矢田寺は、白鳳4(700)年に天武・持統両天皇の勅願所として、奈良・大和郡山市にある矢田寺の別院として、建立されました。もともとは壬生にありましたが、安土桃山時代の豊臣秀吉による区画整理で、本能寺も同じ時期に三条河原町に移されました。商店街の一角に位置していることから、賑やかなお寺かと思われますが、境内の中はとても静か。境内に飾られたたくさんの提燈が、参拝客の心を和ませてくれます。お盆の時期、京都では、ご先祖様を迎えるために「迎え鐘」を行います。これは、ご先祖様の魂が間違わずに家族のもとへ帰って来られるよう、梵鐘を突く儀式です。この迎え鐘に対し、矢田寺では「送り鐘」が行われます。また8月16日にはご先祖様が無事冥土に戻れるように、梵鐘をついて魂を送ります。この日は特に、多くの人がお寺を訪れます。

嵐山灯篭流し
08月16日 嵐山・渡月橋下流
【嵐山・渡月橋へのアクセス】

 京福電鉄嵐山線・阪急嵐山線嵐山駅

より徒歩5分
太陽がぎらぎらと照りつける暑い日となった12日、祇園祭の山鉾巡行を前に試し曳きをする「曳き初め」が四条通や室町通一帯で行われ、長刀鉾、函谷鉾、月鉾、菊水鉾、鶏鉾の5基の曳き初めがありました。曳き初めは女性や子供も綱を持つことが許され、参加することができます。午後3時30分頃より祇園囃子の音が響きはじめ、長刀鉾の曳き初めがはじまりました。暑さにも負けずに小学生や市民らが元気よく綱を引き、鉾上ではお稚児さんによる太平の舞が披露されました。沿道には大勢の人々が集まり、曳き初めに参加したり、写真を撮ったりと辺りは熱気に包まれていました。


五山送り火
8月16日 京都市内
【五山送り火ビューポイント】

京都御所、清涼寺北側、御園橋周辺、上賀茂橋周辺、船岡山、加茂川堤防西側、広沢の池、高野川堤防、将軍塚、西大路通り

8月16日午後8時から、京都盆地の周囲の山に「大」「妙法」の字や鳥居、船を
形どった火が次々に点火される。精霊送りの意味を持つ盆行事の一形態で、京都三大祭(葵祭・祇園祭・時代祭)に五山送り火を加え、京都四大行事と呼ぶ。東山如意ヶ嶽の「大文字」がもっともよく知られていて、送り火の代名詞になっている。江戸時代後期には「い」(市原野)、「一」(鳴滝)、「竹の先に鈴」(西山)、「蛇」(北嵯峨)、「長刀」(観音寺村)などの字形もあったが、早く途絶えたといわれている。

灯篭流し
08月16日 広沢の池(遍照寺)
【広沢の池へのアクセス】

市バス「山越」から徒歩約5分

市バス「大覚寺」から徒歩約10分
遍照寺は十世紀末(989年)平安時代中期、寛平法皇(宇多天皇)の孫、寛朝僧正が広沢池畔の山荘を改めて寺院にしたものです。嵯峨富士と云われる端麗な遍照寺山を映す広沢池には金色の観世音菩薩を祀る観音島がありました。池畔には多宝塔、釣殿等、数々の堂宇が並ぶ広大な寺院でした。しかし寛朝僧正没後次第に衰退し、鎌倉時代、後宇多天皇により復興されたましたが後、応仁の乱で廃墟と化した。奇跡的に難を逃れた赤不動明王と十一面観音は草堂に移され、文政十三年舜乗律師により復興されました。昭和に収蔵庫、護摩堂。平成九年客殿、庫裡を建立し現容となりました。毎年8月16日には、近くの広沢の池で灯篭流しが行われます。五山の送り火(鳥居形)と合わせて、幻想的な雰囲気を醸し出します。


宵弘法
08月20日 大覚寺
【大覚寺へのアクセス】

JR京都駅から市バス28系統

京都バス71系統で45分

大覚寺下車、徒歩1分

「万灯会」の法会は、弘法大師が除災招福を祈念し、毎年1回執り行なわれ、仏さまに多くの灯火をお供えするだけでなく、弘法大師の加持護念のありがたいみ心に対し、報恩の誠をささげ、暗き世を光で照らす真言宗の大切な法会です。京・嵯峨野の大覚寺でも、8月20日に参拝者に献灯していただき、万灯会の法会を厳修し、亡き人の追福菩提を祈り、施主のご家族のご多幸とご健康を祈念します。今では、「宵弘法」として広く全国に親しまれています。


源光寺大祭
8月21日〜23日 源光寺
【源光寺へのアクセス】

京福電車・北野線・常盤駅

徒歩約4分

平安時代からの呼びである「常盤の里」にこの源光寺はあります。ここは臨済宗天龍寺派の尼寺で常盤地蔵と呼ばれています。源義経の母・常盤はこのあたりで生まれ、晩年を過ごしたと言われており、境内には常盤の墓と伝えられている塚がひっそりと建っています。(上記右下の写真)このあたりも宅地化が進み、かっての常盤野の光景はなかなか見られなくなりましたが、北西1kmには往時の常盤野をほうふちとさせる月の名所・広沢の池があります。毎年8月21日夕景〜23日夕景には源光寺の大祭が開催されます。

京の六地蔵巡り
8月22日〜23日 京の六地蔵
山科地蔵(東海道・四ノ宮の徳林庵) 【山科地蔵へのアクセス】

JR山科駅下車徒歩約10分
常盤地蔵(周山街道・常盤の源光寺) 【常盤地蔵へのアクセス】

京福電車北野線「常盤駅」下車徒歩約5分
鞍馬口地蔵(若狭街道・鞍馬口の上善寺) 【鞍馬口地蔵へのアクセス】

地下鉄烏丸線「鞍馬口」下車徒歩約15分
京都では、夏も終わりに近づいく8月22日、23日の両日、都の出入り口(街道沿い)六ヶ所に祀られた地蔵菩薩を巡拝して、罰障消滅、家内安全、無病息災、家運繁栄を祈願する「六地蔵巡り」があります。これは、800年もの京の伝統行事です。さて、京の六ヶ所の出入り口(街道沿い)とは、1.伏見六地蔵(奈良街道・六地蔵の大善寺)、2.鳥羽地蔵(西国街道・上鳥羽の浄禅寺)、3.桂地蔵(丹波街道・桂の地蔵寺)、4.常盤地蔵(周山街道・常盤の源光寺)、5.鞍馬口地蔵(若狭街道・鞍馬口の上善寺)、6.山科地蔵(東海道・四ノ宮の徳林庵) これら寺院に安置された木像地蔵菩薩立像(重文)は、平安時代の初め一度息絶え冥土へ行った小野篁(オノタカムラ)が、そこで生身の地蔵菩薩を拝して甦った後に、木幡山(こばたやま)の一本の桜の大木から六体の地蔵尊像を刻み、木幡の里(大善寺)に祀ったものと言われています。平安後期、都では疫病が流行していました。後白河天皇はこの地蔵尊像を深く信仰され皇位長久、王城守護を祈願。また、都を往来する旅人たちの路上安全・健康、さらに広く庶民に疫病退散、福徳招来をも願われて、保元2年(1157)都の出入り口に祀るよう平清盛に勅命。清盛は西光法師に命じ、街道の入口に六角堂を建て、一体づつ分置し「廻り地蔵」と名付けました。これにより庶民に地蔵信仰が広まり、六地蔵巡りの風習が室町時代に始まったとされています。(なお、当初は木幡の里、四ノ宮河原、鳥羽の作り道、西七条 、蓮台野、深泥ヶ池、西坂本の7街道に六体の地蔵尊像を安置したとされ、現在の六地蔵の大善寺、四ノ宮の徳林庵、上鳥羽の浄禅寺、桂の地蔵寺、常盤の源光寺、鞍馬口の上善寺となったのは、江戸時代初期の寛文5年(1665)頃と言わています。)

千灯供養
8月23日〜24日 化野念仏寺
【化野念仏寺へのアクセス】

京都バス:「鳥居本」下車徒歩5分
石仏で知られる化野念仏寺は、浄土宗の寺。およそ千年前、空海がここに五智山如来寺を開創し、野ざらしとなっていた遺骸を埋葬したことにはじまるという。あだし野という、『徒然草』にも書かれているかつての葬送の地に建ち、境内に集められたおびただしい数の石仏が、葬送地としての過去を彷彿とさせる。本尊は阿弥陀如来で、湛慶の作。本堂は江戸時代に再興されたもの。お盆の千灯供養は厳かな中にも幻想的な雰囲気で京の夏の行事として有名。



吉祥院天満宮夏季大祭
8月25日 吉祥院天満宮
【吉祥院天満宮へのアクセス】

市バス、吉祥院天満宮下車
徒歩約5分

JR西大路駅下車徒歩約15分

吉祥院天満宮は、菅原道真公がおなくなりになって31年目に当たる承平四年(934)に菅原家ゆかりの道真公御誕生の地に朱雀天皇の勅命により創建された最初の天満宮です。これより先、平安遷都とともに文章博士として恒武天皇に随行された道真公の祖父清公卿は遣唐使の命を受けて唐へ渡航中暴風に遭遇、船上にて吉祥天女の霊験を得て入唐、無事任務を終えて帰国後、自邸内にお堂を建て吉祥天女の尊像をまつったと言われております。これが吉祥院の由来で地名の起源となっています。境内には道真公のへその緒を埋めたと伝えられる「胞衣(えな)塚」をはじめ、少年時代に習字に使用したという「硯の水」や顔を写したと伝わる「鑑(かがみ)の井」などがあります。毎年8月25日には夏季大祭が開催され、六斎奉納や学童図画展が行われます。境内はお店や参拝者で終日賑わいます。

梅津六斎念仏
08月29日 梅宮大社
【梅宮大社へのアクセス】

京都市バス 【3】・【28】・【29】・【71】系統にて「梅ノ宮神宮前」下車。すぐ前方の信号を右へ渡る。

右京区の梅宮大社において8月の最終日曜日には、嵯峨天皇の徳を偲ぶ祭礼「嵯峨天皇祭」が行われ、夜には梅津六斎念仏が奉納されます。梅津六斎念仏は空也堂系の芸能六斎で、国の重要無形民俗文化財に指定されています。午後7時より笛や太鼓の音が響くなか「頼光と土蜘蛛」や「越後さらし」、「獅子と土蜘蛛」など多彩な演目が次々と披露されます。「越後さらし」では、さらしを自由自在に操り、「祇園囃子」ではヒョットコやオカメが現れたりと、訪れた家族連れや観客らを楽しませます。また少年相撲大会や盆踊りなども行われ、境内は大変な賑わいをみせます。